2017/01/22 10:34

電子書店honto発売 『アブノーマルLOVE』

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honto販売ページ

 

 ちょっぴり危うい女性向けハードロマン4作品を収録した合本版。

 

1.地元に帰省した友哉は中学時代に憧れだった保健室の先生が

再び中学校に復職したことを知る。(『夏休みの保健室で』)


2.同棲中のカリスマ美容師との結婚望むユカは

媚薬を飲み友人と3人で戯れの一夜を過ごす。(『イケナイLOVERS』)

 

3.彫り師に一目ぼれした専門学生のあーやは

歓喜天に導かれるまま。(『タトゥー~愛の刻印~』)

 

4.宏平はアルバイトとボランティアの不安定な生活の中でパチンコ店に通い

出逢った舞花との一夜をキッカケに運命が変わり始める。(『落とし穴―危険な遊戯からの転落』)

 

 

2017/01/21 17:34

Kindle発売 『占い師が語る 葬祭&怪奇相談』前書き

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◇前書きにかえて

 

―霊界トンネル―

 

良く晴れた8月の早朝。

私は叔母と母と3人で総合病院の一室にいた。

癌の末期を迎えた母は今日から緩和ケア病棟へ移動する予定だった。

 

 

「今日は2人ともいるんだね」

 

抗がん剤特有の「せん妄」(記憶が曖昧になったり、

意味不明なことを言ったりする)が始まった母の容体は穏やかだった。

 

1年近く入退院を繰り返していた母の荷物はかなりの量になっていた。

 

手の空いている看護師さんと今日の担当の看護師さんに助けられて、

病院の裏通路を大移動すること数分間、

ようやく静けさの漂う緩和ケア病棟へたどり着くと、母は新しい風景にわくわくしているようだった。

 

 

何とも言えない感情を抱きつつ、

翌日から私は「病院に勤めている」という設定で、母の部屋に通うようになった。

 

母は私が病院でアルバイトをしていると思っているし、

私もそう思われている方が気分的にラクだった。

 

 

 

日ごとと言えず1日の中で

かなり気分的な変動も激しく接するのが辛い時期もあったが、

自分が病院のスタッフになったつもりで対応すると

不思議と私自身も落ち着きを取り戻していった。

 

新しい病室は南向きの窓がある明るい個室で、

病棟全体は30ほどの部屋があった。

 

今日会えたからと言って、明日は会えるかどうかわからない人たちばかりで、

平日の見舞客の顔ぶれは、ほぼ固定されていた。

 

 

母の部屋は角部屋で、

廊下を挟んだすぐ隣やその近辺の部屋は当初空き部屋だったにも関わらず、

人が行き来する気配が感じられて落ち着かなかった。

 

その部屋の壁に向かって通り過ぎてゆく、

肉眼では見ることができない人たちの気配がひっきりなしに感じられた。

 

 

 

「この部屋に入ったら、お迎えが早いのだろうか」

 

部屋自体も病院の対応も気に入っていたけれど、

私はあらぬ予感を抱きつつ、

泣いたり笑ったり時には苛立ちながら病棟で過ごす時間を増やしていった。

 

 

 

「急に音がしなくなったなぁ」

 

引越しをして「1度目の危篤状態」を脱した翌日から、

何故か急に部屋の壁を通り抜ける人たちの気配がすーっと消えていった。

まるで霊界へのトンネル自体が、どこか違う部屋に移動したような気がした。

 

 

 

「あんなにざわついて落ち着かなかったのに、どこにいっちゃったんだろう」

 

個人的には嬉しかったけれど

他の部屋が「霊界トンネル」につながったような気がした私は複雑な心境だった。

 

「霊界トンネル」は、その日を境に母の部屋の壁に現れることはなかった。

 

 

「もう少しだけ、神様が時間を下さったのかもしれない」

 

 

病棟を引越した当初、一時はうらぶれていた私だったが、

徐々に母親に必要な力を与えてくれる神社を視て、宮司に病気平癒祈願(正確に言うと延命祈願)をしてもらい、

その時点で「健康運にプラスのパワーを感じる神社やお寺を巡り、

 

時には「御守」を病室内に貼って、

さらに自分でも母親の弱っている部分にエネルギーを送るようになった。

 

 

足りない部分は、遠隔治療を行う先生にお願いをして、

力添えをいただいて、自分自身の心の支えの1つにもなってもらった。

 

自分が治療を受けたこともある遠隔治療を行う先生にお願いをして、

ぎりぎりまで母の臓器の波動を修正してもらった。日々、枯渇してゆく自分の自身の「気」を感じつつも、

母と私は最後まで「目に見えない偉大なる何か」の力に守っていただいた。

 

 

「おはよう」

 

何度目かの危篤を乗り越えた朝、久しぶりに母が私に挨拶をしてくれた。

私もすかさず「おはよう」と返して、

「昨日よりは良い状態だね」と短い会話のあとで眠ってしまった。

 

もう本当にいつ亡くなってもおかしくはない状態なのにも関わらず、

その日も早朝の病室の壁に「霊界トンネル」は開いていなかった。

 

母が眠りに落ちると、こうして私は今日も病室の片隅でこの原稿を打ち込んでいる。

 

 

これを読んでいるあなたは「霊界トンネル」を感じたことがあるだろうか。

 

 

この世のものとは思えない独特の周波数を発する音や声。

 

ちょっと冷たい空気が出入りして確かにそこを行き来する、

あるいは通り抜けて出てゆく人たちがいて、目の前をすいすいと何の迷いもなく通り過ぎてゆく。

 

その人たちは私達には全く興味を示さないし関わることもないのだけれど。

選ばれた病室や特定の場所へある瞬間に突然表われる、その透明なトンネルを。

 

 

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